煩雑な問い合わせや依頼を一元管理する
ソフトウェア開発のプロジェクトリーダーには、課題管理と呼ばれる業務が付きまといます。これは顧客とのやり取り、開発者との質疑応答、技術的課題の解決など、プロジェクト進行上で発生する様々な案件を効率良くクリアしていくものです。課題管理も従来はExcelによって行われることが多かったのですが、仕事量が増えることによって様々な問題が表面化してきました。Redmineはこの課題管理においてもITS(Issue Tracking Syestem、課題管理ツール)として貢献することができます。
Excelやメールで顧客や別チームとやり取りしていると、課題の回答はExcelとメールに散らばってしまいます。また、回答の履歴をExcelにまとめようとすると、どうしてもファイルが肥大化してしまい、扱いにくくなります。過去に解決した事例やその経緯をたどろうとしても、Excelやメールではやりにくいでしょう。情報が漏れやすいという、セキュリティ上の問題もあります。
さらに、Excelデータから課題を集計したり報告書を作ろうとすると、かなりの手間がかかります。
ステータス管理も、Excelでは難しい業務の一つです。たとえ「新規」「対応中」「完了」のように単純なワークフローであっても、その事案が開発チームで回答すべき状態なのか、顧客からの返答を待っているのか、すぐにはわかりません。そもそも「誰がこの課題を解決するのか」が一目でわからなければ、課題が放置されることもあり得ます。
Remineを使えば、このような問題点をクリアすることができます。
課題はRedmineのチケットに登録するようにし、回答はチケットのコメントに記録していきます。こうすることで、課題の発生→質疑応答→完了までの情報をすべてチケットに集約できます。チケットは様々な観点で検索できるので、過去の課題の履歴を参照するのも容易です。また、RedmineはWebアプリケーションです。課題をRedmineに起票して社外の顧客やメンバーなどとやり取りできる環境を作っておけば、ユーザー企業の担当者に質問したり、社外の開発メンバーからの問い合わせに応答したりすることが容易になります。当然、Redmine上で課題のワークフローを制御することも可能です。
課題管理のシステムを顧客からの問い合わせ対応に拡張すれば、ヘルプデスク管理も可能です。また、チケット集計機能を使えば、回答担当者ごとの作業量や顧客対応時間も計算することができます。それは同時に、担当者の生産性や作業状況もわかるということです。集計によって得られた数値は、今後のリスク改善やプロセス改善にも役立ちます。