“がんじがらめ”にするだけがセキュリティではない
「情報セキュリティ」と聞くと、文書や情報の取り扱いを厳格化し、パスワードはランダムに変換、規定に違反した者には厳罰……といったことを連想するかもしれませんが、「情報セキュリティ管理」はちょっと違います。情報セキュリティ管理とは、「セキュリティとビジネスの整合性を取りながら、サービスに必要な情報を適切かつ安全に利活用できるようにすること」を指します。情報が利用しにくくなったり、業務の効率が悪くなったりしては、ITILの意味がなくなってしまいます。
もちろん、会社・部署単位で情報セキュリティのルールやポリシーが定められている場合はそれに従います。その場合でも、情報へのアクセス方法や権限管理の仕方等の設計は必要ですし、時にはルールを変える必要が生じることもあるでしょう。ポイントは、会社のセキュリティ方針とビジネスのニーズや優先度、これらをバランス良く考えることです。
情報セキュリティには重要な3要素「CIA」があると言われています。
C(Confidentiality)……機密性。「その情報」を知る権限がある人だけ当該情報が閲覧可能になっていること。
I(Integrity)……完全性。情報が完全かつ正確で、許可されていない修正から保護されている(つまり改竄されていない)こと。
A(Availability)……可用性。必要な時に情報がいつでも入手・利用可能になっていること。
これらの3つをバランス良く保つことで、必要な情報を安全かつ適切に利用できるようになります。
情報セキュリティ管理を実施する場合は、次の5つのプロセスを行います。
- 全社情報セキュリティポリシーとビジネスニーズの確認
- 脅威・リスクの特定
- 方針・ルールの策定
- 定常的な運用
- 改善・是正
情報セキュリティにおける重要な3要素「CIA」
情報セキュリティには重要な3要素「CIA」があると言われています。
C(Confidentiality)……機密性。「その情報」を知る権限がある人だけ当該情報が閲覧可能になっていること。
I(Integrity)……完全性。情報が完全かつ正確で、許可されていない修正から保護されている(つまり改竄されていない)こと。
A(Availability)……可用性。必要な時に情報がいつでも入手・利用可能になっていること。
これらの3つをバランス良く保つことで、必要な情報を安全かつ適切に利用できるようになります。
セキュリティ管理ツールの役割
脆弱性の特定と修正
セキュリティ管理において、脆弱性の特定と修正は重要な役割を果たします。多くの企業がこの課題に取り組んでおり、その成功事例から学ぶことができます。例えば、ある大手銀行では、メールシステムのセキュリティ強化のためDMARCを導入し、顧客情報の保護を徹底しました。
脅威の検出と対応
セキュリティ管理における脅威の検出と対応は、企業の情報資産を守る上で不可欠です。近年、海外ビジネスにおけるサイバーセキュリティ脅威への対応が重要性を増しています。例えば、EUのGDPRでは、データ漏洩時に72時間以内の当局報告が義務付けられています。また、カリフォルニア州のCCPAでは、消費者からの情報削除・開示請求への対応が求められます。
これらの法令遵守のため、企業は各国のプライバシーポリシーやインシデント対応フローの策定、データ越境移転規制への対応が必要です。海外ビジネスにおけるサイバーセキュリティ対策は、企業の事業継続性を確保する上で欠かせません。
ネットワーク防御
セキュリティ管理の効果を測定するには、適切な指標の設定が不可欠です。例えば、「不正アクセスの検知率」や「セキュリティインシデントの対応時間」などが挙げられます。これらの指標を定期的に測定し、分析することで、組織のセキュリティ体制の現状把握と改善につながります。
具体的な測定方法としては、ログ分析ツールを活用し、不審なアクセスパターンを検出することが効果的です。また、セキュリティ訓練の実施回数や参加率も重要な指標となります。
さらに、脆弱性スキャンの結果や、パッチ適用の迅速さなども、ネットワーク防御の効果を測る上で重要です。これらの指標を総合的に評価することで、組織のセキュリティレベルを客観的に把握し、継続的な改善につなげることができます。
次は、これらの指標を活用した具体的なログ収集と分析方法について見ていきましょう。
ログの収集と分析
ログの収集と分析は、セキュリティ管理の要となる重要なプロセスです。システム全体の動作を監視し、不正アクセスや異常な挙動を迅速に検知するためには、適切なログ管理が不可欠です。例えば、ファイアウォールやIDS/IPSからのログを集中管理することで、攻撃の兆候を早期に発見できます。
ログ分析では、機械学習を活用した異常検知技術が注目されています。これにより、従来の手法では見逃していた複雑な攻撃パターンも検出可能になります。また、ログの長期保存と定期的な監査も重要です。これは、インシデント発生時の原因究明や、法規制への対応に役立ちます。
効果的なログ管理を実現するには、SHERPA SUITEのような統合運用管理ツールの導入が有効です。自動化された分析と可視化機能により、セキュリティチームの負担を軽減しつつ、迅速な対応が可能になります。
セキュリティ管理ツールの分類
ネットワーク監視ツール
ネットワーク監視ツールは、セキュリティ管理の要となる重要な存在です。これらのツールは、ネットワーク上のトラフィックを常時監視し、異常な動きや不審なアクセスを即座に検知します。例えば、大量のデータが外部に送信されようとしている場合、ツールがアラートを発し、管理者に通知します。
このような監視により、サイバー攻撃やマルウェアの侵入を早期に発見し、被害を最小限に抑えることが可能となります。さらに、ネットワークのパフォーマンスや帯域幅の使用状況も把握できるため、システムの最適化にも役立ちます。
最新のネットワーク監視ツールでは、AI技術を活用した高度な分析機能も搭載されており、より精度の高い脅威検知が可能になっています。
脆弱性スキャンツール
脆弱性スキャンツールは、システムの弱点を自動的に探し出す重要なセキュリティ管理ツールです。定期的なスキャンにより、未知の脆弱性を発見し、迅速な対応が可能になります。例えば、古いソフトウェアのバージョンや設定ミスなどを検出し、管理者に通知します。
これらのツールは、ハッカーが悪用する前に脆弱性を特定することで、セキュリティリスクを大幅に軽減します。最新の脆弱性スキャンツールでは、クラウド環境やIoTデバイスにも対応し、より包括的なセキュリティ管理を実現しています。
さらに、脆弱性の重要度を評価し、優先順位をつけて報告する機能も備えており、効率的なセキュリティ対策の実施を支援します。これにより、限られたリソースを最も重要な脆弱性の修正に集中させることができます。
アクセス制御ツール
アクセス制御ツールは、セキュリティ管理の要となる重要な存在です。これらのツールは、システムやデータへのアクセスを適切に管理し、不正なアクセスを防ぐ役割を果たします。例えば、社員の役職や部署に応じて、アクセス権限を細かく設定することができます。
最新のアクセス制御ツールでは、多要素認証や生体認証などの高度な認証方式を採用し、セキュリティをさらに強化しています。これにより、パスワード漏洩のリスクを大幅に軽減できます。
また、アクセスログの記録と分析機能も備えており、不審なアクセスパターンを検知し、セキュリティインシデントの早期発見に役立ちます。さらに、クラウドサービスとの連携により、リモートワーク環境下でも安全なアクセス制御を実現しています。
暗号化ツール
暗号化ツールは、機密情報を保護する上で欠かせないセキュリティ管理ツールです。これらのツールは、データを第三者が解読できない形式に変換し、情報の機密性を確保します。例えば、クレジットカード情報や個人情報などの重要データを暗号化することで、万が一データが漏洩しても、その内容を解読されるリスクを大幅に低減できます。
最新の暗号化ツールでは、エンドツーエンド暗号化やホモモルフィック暗号化など、より高度な暗号化技術が採用されています。これにより、クラウド環境でのデータ処理や共有時でも、高いセキュリティを維持することが可能になりました。
さらに、暗号化ツールは鍵管理機能も備えており、暗号化キーの生成、配布、更新、破棄を一元管理できます。これにより、複雑化する暗号化プロセスを効率的に運用し、人為的ミスによるセキュリティリスクを軽減することができます。
ログ管理ツール
ログ管理ツールは、セキュリティ管理の要となる重要な存在です。これらのツールは、システム全体のログを収集し、分析することで、セキュリティインシデントの早期発見と迅速な対応を可能にします。例えば、不審なログイン試行や異常なファイルアクセスを検知し、管理者に通知することができます。
最新のログ管理ツールでは、AI技術を活用した高度な分析機能も搭載されており、膨大なログデータから重要な情報を抽出し、セキュリティ脅威を予測することも可能になっています。
さらに、ログの長期保存と検索機能により、セキュリティ監査や法的要件への対応も容易になります。クラウド環境との連携により、分散したシステムのログも一元管理できるため、複雑化する IT 環境下でも効果的なセキュリティ管理を実現できます。
情報セキュリティ管理を実施する5つのプロセス
情報セキュリティ管理を実施する場合は、次の5つのプロセスを行います。
- 全社情報セキュリティポリシーとビジネスニーズの確認
会社によって求められるセキュリティの高さはまちまちでしょうが、基本的にやることは変わりません。CIAを意識しながら情報セキュリティの設計・運用が行われることが望ましいのです。
Redmineに関して言えば、デフォルト設定では公開プロジェクトであればチケットやWikiの内容をログインなしで閲覧することができるので、注意が必要です。特に、新たに作成したプロジェクトはデフォルトのままだと「公開」と設定されているので、ログインユーザーでなくても簡単に中身を見ることができます。これを防ぐには、「管理」→「設定」画面の認証タブで「認証が必要」のチェックボックスをONにします。すると必ずログインが要求されるようになります。
また、既存プロジェクトを非公開にしたり、新規プロジェクトのデフォルトを非公開にするなど、様々なセキュリティレベルを設定できます。
シェルパスイートは情報セキュリティに特化したソリューションも提供しており、主にアクセス制御、ユーザー権限管理、データの暗号化による保護などを行います。加えて、インシデント管理機能により、セキュリティの脅威や問題発生時に迅速に対応できる仕組みも備え、システム全体のセキュリティ強化とリスク管理を支援します。
詳細についてはサービスページをご参照ください。
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