Redmineとは
Redmineは、オープンソースソフトウェアと言われる誰もが自由に利用できるプロジェクト管理ツールです。
プロジェクトを円滑に運営するために必要なタスクの進捗状況や進行スケジュール等を完了することができます。
Redmineはウェブアプリケーションという位置付けのため、ブラウザさえあれば場所を問わずアクセス可能です。
複数名が同時に接続することもでき、プロジェクトに関する情報を一元管理し、メンバーへの情報共有もできます。
Redmineを使うべき人
Redmineは汎用性の高いプロジェクト管理ツールですが、以下のような会社は活用するメリットが大きいでしょう。
- ソフトウェア開発会社
- 社内に「Redmine(レッドマイン)」に詳しいエンジニアがいる会社
- 無料でプロジェクト管理ツールを導入したい会社
- 課題管理に対応ができる会社
それぞれについて解説していきます。
ソフトウェア開発会社
Redmineはソフトウェア開発のプロジェクトで利用されることが多いサービスです。
進捗管理機能やガントチャート機能等、ソフトウェア開発を計画通りに進めるためのプロジェクト管理機能が搭載されています。
誰がいつまでに何をすべきかというタスク管理を細かくできるため、複雑な開発案件でも活用することができるため、ソフトウェア開発会社におすすめのツールです。
社内に「Redmine(レッドマイン)」に詳しいエンジニアがいる会社
Redmineはカスタマイズ性が高いオープンソースソフトウェアです。
社内Redmineに詳しいエンジニアがいれば、自社のニーズに合わせて設計し、最適化したプロジェクト管理ツールにすることができます。
Redmineはプロジェクト管理をするための便利な機能が搭載されているため、自社に最適化することでさまざまな業務の効率化を実現することができるはずです。
無料でプロジェクト管理ツールを導入したい会社
Redmineはオープンソースのソフトウェアのため、無料で利用することができるため、「プロジェクト管理ツールを導入したいけどコストはかけたくない」という企業におすすめです。
プロジェクトを計画通りに進めるには、タスクの進捗管理や進行スケジュールを可視化する必要があります。
進捗管理ができないと、細かなタスク漏れが発生したり、納期に間に合わなかったりといったリスクが生じてしまいます。
そこで、プロジェクト管理ツールを活用すると良いでしょう。プロジェクト管理ツールは有料サービスも数多くありますが、まずは無料で試してみたいという会社はRedmineを活用してみて下さい。
課題管理に応用ができる会社
Redmineはソフトウェア開発等のプロジェクト管理で利用されることが多いですが、社内プロジェクトや課題管理に応用できる会社にもおすすめのツールです。
細かくタスク管理ができるため、誰がいつまでに何をすべきか、進捗がどうなっているかを可視化できます。
プロジェクトの内容に関わらず上記の機能を活用できるため、チームで何かのプロジェクトを進める会社はRedmineを活用すると良いでしょう。
Redmine使用で得られる主なメリット
今回はRedmineを導入するとどのようなメリットがあるのかご紹介します。
①“やるべきこと”が明確になる
やるべきことを列挙するだけなら、表計算ソフトやワープロソフトでもできます。Redmineでは、やるべきことの内容だけでなく、ステータス・期日・優先度などをチケット(後述)として細かく登録し、随時更新していくことができます。「何をすべきなのか」「何を優先すべきなのか」を常に表示しておくことが可能です。
②進捗状況を把握できる
Redmineにはロードマップやガントチャートなどの機能が標準装備されています。これらはプロジェクトの進捗状況を測るための機能です。今、プロジェクトがどういう状況にあるのか、進行は順調なのか、それとも遅れているのか。進捗だけでなく、今後の予定まで含めて確認しながら作業を進めることが可能になります。
③チームメンバーと容易に情報共有できる
Redmineを使うと、最新情報から履歴まで、すべてのプロジェクト情報をメンバー内で共有することができます。チケットによる最新情報・履歴の閲覧ができるのはもちろん、Wiki・文書・ファイル・ニュース・フォーラムなどによる情報共有機能も充実しているので、用途に応じて使い分けることができます。Remineは“ナレッジシェアリングツール”としても十分な機能を備えているのです。
④優れたトレーサビリティ
「誰がこのタスクを終了したと判断したのか」といった確認は、従来は紙の書類のやり取りで行っていたと思いますが、Redmineを使えばタスクのステータスがどうなっているのか、誰が担当者なのか、どのような経緯を経て現在に至っているのかといった情報を逐一記録できるようになります。つまり、タスクの終了判断の責任を明確にできますし、一連の流れをRedmineに集約して、Webシステムで効率的に処理することが可能になります。「複数人で計画通りにプロジェクトを成功させる」という目標に対して、Redmineは絶大な効果を発揮するのです。
Redmineでできること
Redmineはプロジェクト管理をサポートするための便利な機能が搭載されています。
代表的な機能は以下の通りです。
- チケット
- ガントチャート
- Wiki
- リポジトリ
- ニュース
それぞれの機能でできることについて解説していきます。
チケット
Redmineの代表的な機能として、チケット機能があります。
プロジェクトの進行に必要なタスクを細分化し、チケット機能を活用することで各タスクの進捗を把握することができます。
チケットには、タスクの内容に加えて担当者や期日、ステータス等を設定することができるため、いつまでに誰が何をしなければならないのかが可視化されます。
インシデント管理に主眼を置いたRedmineの使い方では起こったインシデントをチケット化しますが、元来この機能はプロジェクトを成し遂げるために必要な作業を洗い出して登録するためのものでした。タスクや解決すべき障害、大きな課題から細かい作業までチケット化して登録する。するとプロジェクトを進める上でやるべきことが“見える化”されるので、プロジェクト進行の円滑化が図れます。ちなみに“チケット”は日本語訳で、英語表記では”issue”となっています。
ガントチャート
ガントチャート機能は、プロジェクト全体の作業の流れを可視化する機能です。
Redmineのガントチャート機能は、チケットを登録する際に開始日と期日を入力することで、チケットが自動でガントチャートに反映されます。
円滑なプロジェクト進行に必要な作業を細かく分け、それぞれの進捗がひと目で確認できるようになります。
また、タスクの進捗だけでなく、作業の順番や今後予定されているタスクも確認できるようになるため、プロジェクトの全体像が把握できます。
Wiki
Wiki機能は、文書の作成や編集をする機能です。
プロジェクトに関するテキストやメモ等を簡単に作成し、Redmine上に保存することができます。
複数のページを作成し相互リンクを設定することもでき、関連する文書をまとめ、情報を集約できます。
また、Wikiには編集履歴が残るため、比較や復元も簡単におこなうことができます。
リポジトリ
リポジトリは、プロジェクトに関するさまざまなデータが記録されたデータベースのことです。
Redmineのリポジトリは、GitやSubversionといったバージョン管理システムと連携することができます。
コミットの履歴やリポジトリ内のフォルダやファイルに内容等が画面参照できます。
ソフトウェア開発やシステム開発プロジェクトの進行管理をするときに便利です。
ニュース
ニュース機能は、プロジェクトに関わるメンバーに対して連絡事項や重要なアナウンスをおこなう掲示板です。
プロジェクトに関する重要な情報や必ず知らせたい情報をニュース機能を使うことでメンバーにアナウンスします。
ホーム画面やメンバーのマイページにニュースを表示させたり、通知が飛ぶ仕組みもあるため、重要な連絡事項の確認漏れを防ぐことができます。
Redmineを使う準備
実際にRedmineを使用するには、以下の準備が必要です。
- インストーラをダウンロード
- インストーラを実行
- 管理者アカウントを作成
- その他の設定を行う
それぞれの手順について詳しく解説していきます。
インストーラをダウンロード
Redmineを使い始めるにあたって、まずはインストーラをダウンロードしましょう。
インストーラのダウンロードには、Apacheウェブサーバーといった関連するソフトウェアがまとまっている、BitNami Redmineインストーラ等を使うことをおすすめします。
インストーラをダウンロードする方法以外にも、クラウドサービスを活用するという方法もあります。
インストーラを実行
インストーラのダウンロードが完了したら、次はインストーラの実行に移ります。
インストーラを実行することで、インストールが開始されます。
言語選択画面に遷移するため、「Japanese – 日本語」を選択しましょう。
画面に「次へ」と表示されるため、クリックして進めていくとインストールが始まります。
管理者アカウントを作成
インストールが終わり次第、管理者のアカウント作成に移っていきます。
管理者アカウントの作成にあたって、ログイン名とパスワードの設定が必要です。
管理者が使用するアカウントが作成できたら、管理画面にログインしましょう。
その他の設定を行う
作成した管理者アカウントのログイン名とパスワードを入力し、管理画面にログインします。
そこからその他の設定を進めていきます。
管理画面では、以下の設定をしましょう。
- デフォルトデータのロード
- 日本語での利用に適した設定
- メールに含まれるRedmineのアドレスを正しく設定する
Redmine初心者におすすめな使い方
Redmineに使い慣れていない場合、まずは以下の機能を使ってみましょう。
- チケットの一覧表示
- カレンダーへのチケット表示
- マイルストーンごとのチケット表示
- データやファイルを共有
- 文書機能で重要ファイルのアップロード
それぞれの機能や使い方について解説していきます。
チケットの一覧表示
Redmineの中心機能としてチケット機能があります。
Redmineの主な使い方はチケット機能を活用してプロジェクト全体の管理や細かいタスク管理を行うことです。
プロジェクトを進めていくとタスクが増え、登録するチケットも増えてきます。
そこで、チケットの一覧表示機能を活用しましょう。
チケットの一覧表示し、チケット一覧から担当者・期日・優先度等の検索条件を絞り込み、自分が取り組むべきタスクを把握することができます。
カレンダーへのチケット表示
Redmineには、登録したチケットをカレンダーに表示させる機能があります。
ガントチャート機能を活用することでタスクの開始日や期日を一覧で可視化することができますが、カレンダーにチケット表示させることでその日に取り組むべきタスクを把握することが可能になります。
プロジェクト全体のスケジュールから自分の担当するタスクのスケジュールが分かりやすくなるでしょう。
マイルストーンごとのチケット表示
Redmineには、マイルストーンごとにチケットを表示する機能もあります。
マイルストーンは、プロジェクトを進行するにあたって中間の目標のことです。
1つのチケットに対して、より細分化したチケットを登録することができます。
大きなタスクをマイルストーンでチケット表示することで、プロジェクトの進行を段階的に管理ができ、タスクに取り組みやすくなります。
データやファイルを共有
Redmineはプロジェクトの進捗管理機能以外にも、データやファイルを共有する機能が搭載されています。
Redmine上にプロジェクト進行に必要なデータやファイルをアップロードできるため、テキスト以外の情報もプロジェクトメンバーと共有することができます。
また、ファイルやデータのダウンロード数が表示されるため、重要なファイルをダウンロードしていないメンバーが分かり、情報伝達の漏れを防ぐことができます。
文書機能で重要ファイルのアップロード
重要なファイルを目立つようにアップロードする文書機能も搭載されています。
プロジェクト進行において重要な情報やメンバーに必ず把握してもらいたい情報を目立つようにアップロードすることができます。
備考や連絡事項も確認できるため、情報連携ミスや確認漏れを防ぐことができます。
Redmineを使う注意点
Redmineはオープンソースソフトウェアであるため、無料で便利な機能を活用することができますが、使用時にはいくつかの注意点があります。
- コミュニケーション機能がない
- サポートがない
- カスタマイズにはプログラミング知識が必要
無料で使える分、運用サポートがなく、自社に最適化して使いこなすのが難しい場合もあります。
便利な機能を使いこなすまでには時間がかかることもあり、カスタマイズするには知見のあるエンジニアが必要になるでしょう。
まとめ
今回はRedmineの基本機能やおすすめの使い方について解説してきました。
Redmineは無料で使えるプロジェクト管理ツールです。
便利な機能が数多く搭載されているため、使いこなすことでプロジェクト管理を容易にすることができるでしょう。
一方、自社の用途に合わせて使いこなすにはプログラミングの知識等が必要です。
サポートもないため、使いこなすには知識と時間を要するでしょう。
Redmineを使いながら運用に慣れ、自社に最適化させることで業務効率化や生産性向上につながります。
本記事で解説した使い方を参考にしてみてください。