安定したシステム運用とサービスの円滑な提供を確保するためには、アプリケーションやサーバー、ネットワーク機器など、システムを形成する機器やソフトウェアが正常に動作していることが不可欠です。
これらの正常な動作を一定の間隔で確認し、異常が検知された場合には速やかに通知するのが監視ツールの重要な役割です。
監視ツールを導入することで、サービスへの影響を最小限に抑え、必要なアクションを素早く実施できるようになります。
PATROLCLARICE(パトロールクラリス)も監視ツールの中の一つで、導入している企業も多いかと思います。
円滑なシステム運用を手助けしてくれる監視ツールですが、中には使いにくいと感じている人もいるようです。
この記事では、PATROLCLARICEを例とし、監視ツールの特徴や問題点、その解決方法を紹介していきます。
監視ツールは分類する方法によっていくつかの種類に分かれます。
例えば用途・監視対象によって分類すると、サーバー監視ツールと統合監視ツールに分類されます。
サーバー監視ツールとは、稼働中のサーバーを監視するツールのこと。
統合監視ツールの場合は、サーバーに加えてネットワークやアプリケーションなどを包括的に管理します。
これらは近年では境界線が曖昧になっているのですが、一般的には統合監視ツールの方がサーバー監視ツールよりも多機能で費用も高くなりがちだといわれています。
例えばZabbixはOSS(オープンソースソフトウェア)の統合監視ツールとして有名です。
他にも分類法としては、エージェントの有無によって分ける方法もあります。
エージェント型監視
監視したいサーバーにソフトウェアエージェントをインストールするタイプの監視ツール。
オンプレミス型とクラウド型があり、オンプレミス型ではZabbixが有名。
エージェントレス型監視
ソフトウェアエージェントをインストールしないタイプの監視ツール。
オンプレミス型で、IPアドレスやホスト名を使用してサーバーを監視する。
両方対応型
エージェント型、エージェントレス型両方に対応するタイプの監視ツール。
先に触れたZabbixはエージェント型の監視ツールです。
一方、これからご紹介するPATROLCLARICE(パトロールクラリス)とはエージェントレス型統合監視ツールであり、サーバーからネットワークまで監視する「監視運用自動化ツール」となっています。
PATROLCLARICE(パトロールクラリス)の特徴
PATROLCLARICEの特徴としては、まず純国産であることが挙げられます。
PATROLCLARICEは2005年に株式会社コムスクエア(東京都中央区)が商品化しました。
ただし、その歴史はさらに古く、1989年の創業時からデータセンターを運用していた同社が自社で使うために開発されたソフトウェアがPATROLCLARICEなのです。
現在では、大規模データセンターをはじめ4,000社以上で導入実績があると言います。
PATROLCLARICEは純国産であることから、直感的な操作が可能。
しかも以下のように豊富な選択肢から必要な機能だけを選んで購入できます。
- 68種類以上の「監視テンプレート」が用意
- セキュリティ系の監視やコマンドを駆使した自由度の高い監視も可能
- 障害が発生した場合、メール送信、警告灯による通知の他、オプションで自動音声による電話通報も選択可能
- ユーザーの声を生かし、豊富なオプションを用意しており、規模・要件に応じて各種エディションから選択することが可能(スタンダード版、ライト版、プロフェッショナル版、クラウド版)
また、先に述べたように、エージェントレス型であることも特徴の1つ。
エージェントレス型ということは、ソフトウェアエージェントのインストール作業が不要ということであり、バージョンアップなどのメンテナンスも必要ないことを意味します。
エージェントレス型であることで、対象機器のメーカーやOSに依存しない一元監視・管理が可能となっており、一般的な監視機能に加えてアプリケーションやサービスの性能監視・状態監視を得意とすることが特色となっています。
稼働中のシステムを止めずに導入が可能なのは魅力的ですね。
PATROLCLARICEの問題点
PATROLCLARICEにはアラート発生時の障害対応を自動化する機能も備わっています。
ただし、これはオプション機能。
オプション機能をつけ加えていけば、それだけコストがかさみます。
また、複数の監視ツールを使用していたり、それらの中にフィルタリング機能が充実していないものがあったりすると、結局オペレーターの負担が減らない可能性があります。
こういった点から、もっと簡単で使いやすさを重視する方は使いにくいと感じてしまうのかもしれません。
SHRPA SUITEを導入すれば、そのような問題点は一気に解決されます。
PATROLCLARICEとSHERPA SUITE導入のメリット
SHERPA SUITEは検知・運用系ソリューションと管理系ソリューションを請け負う運用管理ソリューションです。
運用に特化しているため、煩雑になりがちな複数の監視ツールの効率的運用にも効果を発揮します。
自動制御できる
例えば、異なる監視ツール、MIRACLE ZBX、Nagios、そしてPATROLCLARICEなどから異なるフォーマットのアラートメールを受け取ったとしても、SHERPA SUITEでは自動的に解析し、集約し、一元管理することができます。
これはアラート制御ツールであるSHERPA-IRの機能。
SHERPA-IRはメール電文を自動連携すべき内容かどうか判断し、必要な項目だけを自動的に振り分けることができます。
SHERPA-IRでは以下のように様々な自動制御を行うことができます。
- アラート内容確認
- アラート自動制御
- ツール連携、フォーマット変換
- インシデント自動登録(チケット登録)
- 自動概算担当通知
- 手順書のナビゲート
- コマンド発行
- API連携
インシデント管理
また、各種インシデント管理ツールやジョブ管理システムなどに対する連携も強力です。
SHERPA SUITEでは、SHERPA-SM(インシデント管理ツール)・SHERPA-JB(ジョブ管理ツール)に連携できるだけでなく、RedmineやJira、OTRSなどと連携を取ることも可能です。
しかも、既存の環境はそのままで導入することができます。
SHRPA-SMでは、SHERPA-IRから受け取ったチケットを自動登録し、チケットにユニークなIDを付加します。
これによって人手による入力の手間を大幅に削減できるだけでなく、担当者が替わってもIDから記録を迅速にたどることができるようになります。
問い合わせ管理
また、問合せ管理機能も備えており、メールによる問合せであればチケットを自動生成したうえで受付メールを自動返送することができます。
さらに、自動電話通知ソリューションもオプションで用意されているので、夜間に緊急対応が必要な障害が発生したとしても迅速に対応することが可能です。
ここに紹介した機能はほんの一部ですが、SHERPA SUITEを導入すればこれらの機能を統一されたインターフェースで一元管理できるようになります。
また、SHERPA SUITEはITIL(Information Technology Infrastructure Library)に準拠しているので、証跡などを見直すことでさらなる業務改善に取り組むこともできます。
なお、SHERPA SUITEはOSS(オープンソースソフトウェア)なので、コスト面でも導入しやすくなっています。
運用管理で悩みをお持ちの方は、ぜひご検討ください。
まとめ
円滑なシステム運用には、監視ツールの活用がおすすめです。
しかし、監視ツールを使いこなせない、コストが嵩んでしまうといった事態が起きると本末転倒です。
そのため、一括管理、自動制御ができるツールがあれば非常に便利になるかと思います。
運用管理で困っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。