強化されたアウトソーシングを利用する
現在では、アプリケーションの運用・保守に多大なコストと高度な技術が求められる時代になりました。ビジネスを取り巻く環境が多様化・高速化し、アプリケーションも迅速な対応をすることが必要になったからです。特にカスタム・アプリケーションの分野では、対応が複雑化しているのに速度が求められるという事態になり、運用・保守を開発ベンダーに任せるとなかなかコストが削減できないという問題があります。このような課題を解決するのが、ITアウトソーシングです。
ご存じのとおり、ITアウトソーシングはすでに多くの企業が導入を済ませ、業務効率化やコスト削減などに役立てています。そして、アプリケーションの運用・保守においても外部リソースを活用するAMO(Application Management Outsourcing)が広がりつつあります。
例えば自社要員のリソース不足が問題になっている企業では、任せられる部分は外部に委託することで本来の業務に専念できる環境を取り戻すことができます。情報システム部門の処理が追いつかないのであれば、外部でもできる業務は外注すれば良いのです。あるいは運用コストの高止まりで困っているのであれば、AMOを活用してワークフローを見直し、業務を効率化して運用コストの削減を図ることができます。
本来カスタム・アプリケーションは、他社との差別化や競争における優位性を支えてきた存在のはず。AMOをうまく活用できればコスト削減が達成され、その分の資産を次のIT投資に役立て、競争優位性の確保に貢献することは間違いありません。
最近ではAMOもサービスを強化しており、より多様な事例に対応することができるようになっています。例えば業務に特化した基幹系アプリケーションの場合は、いわば内部がブラックボックス化し、システム構築を手掛けたベンダーでなければ運用・保守は不可能な場合があります。このような場合でも、AMOにはスムーズに体制を移管できる方法論が備わっていることが増えています。このようなAMOでは、他ベンダーが開発したカスタム・アプリケーションでも運用・保守を引き継ぐためのサービスや、保守・運営の実務を可能とするサービス、さらに、機能強化を実現するサービスまで揃えているのです。豊富な実績や知見をベースにした方法論、充実したツール、広範な人材確保が完備されていなければ、このようなサービスを構築するのは不可能。しかし今では、こういったAMOが現実に存在するのです。