ITIL準拠も可能な「SHERPA-SM」のインシデント管理機能(1/2)

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ITIL準拠も可能な「SHERPA-SM」のインシデント管理機能

システム運用・保守の現場では、日々の業務で様々な運用事例を積み重ねています。更新作業や軽微なシステム障害の自動復旧のノウハウをはじめ、イレギュラーな障害が発生した際の対応事例など、どんな事態が発生しても即座に対応できるよう関係者と情報を共有し、マニュアル化をすすめているのではないでしょうか。

現場においてもITILの重要性について認識されるようになって久しくありません。「いまさら何を言っているのか?」と思われる担当者もいるかもしれませんが、ITILは非常に重要であり、システム運用・保守には欠かせない要素です。
あらためてITILについての振り返り、重要性について解説します。

ITILとは?
ITILは正式にはInformation Technology Infrastructure Libraryと言い、日本語に訳すとITサービスマネジメントの成功事例を集めたマニュアル・教本のようなものになります。ISO/IEC 20000の基本となっていて、現在の最新バージョンは、ITIL 2011になっています。
ITサービス管理の考え方を体系的に整理したものになりますので、狭い範囲で考えると個々の作業マニュアルや障害発生報告書などもこの中に入ります。今まで、先人たちが携わってきた業務の積み重ねや技術革新の中で培われてきた新しい考え方などの集大成と言っていいでしょう。

ITILの構成要素

ITILは、サービスの企画・構築・運用というサイクルに沿った5つの要素に分類できます。

サービス・ストラテジ
業務をより便利に、簡潔に使いやすくするための戦略になります。
今までよりも手間を掛けず、簡単な処理で帳票を出力したり、手動でやらなくてもクラウド上に自動保存して整理してくれたり、人の手を介さずより省力化していくことなどが該当します。
例えば、今まで人手に頼っていた中小企業が一気にIT化をすすめ、システム導入を検討することなどは典型的なサービス・ストラテジにあたります。依頼されたシステム会社が、その会社に合ったより良いシステム内容を考案していきます。
サービス・デザイン
サービス・デザインは、具体的なITサービスの設計・変更について説明した仕様書です。その会社に合ったシステム設計・機能などをデザインしたもので、具体的には情報セキュリティをはじめ、会社内で利用する様々な販売システムや顧客管理などが当てはまります。
品質を落とさず、顧客満足度や費用対効果を保ちながら戦略を具現化し、スムーズな運用フローなどを開発します。先ほどの例で言えば、システムを新たに導入するにしても、パッケージそのままの導入は難しいため、その会社に合ったものを調査し、設計した者が該当します。
サービス・トランジション
サービス・トランジションは、ITサービスの立ち上げをはじめ、新しいサービスへ移行する詳細について説明しています。
実際にシステムを導入するために設計した仕様書通りにシステムを導入できそうか、設計が導入する会社に合ったものかを検討・確認するフェーズになります。
サービス・オペレーション
サービス・オペレーションは、ITサービスの運用について説明したものになります。
実際にシステムを導入してみて使い勝手や処理に問題はないか、業務への影響やトラブルがないかを確認します。もし、問題があれば速やかに対応し手より使い勝手のいいシステムへと安定的に運用できるようにしていくフェーズです。
継続的なサービス改善
実際に導入後、運用してみて何か改善点があれば対応していくフェーズとなります。
システムは導入して終わりではありません。更新作業や予期していない障害などと隣り合わせです。使っていくうちに、よりクライアントにとって良い仕様が求められることもあります。
そうした問題に対処しながら、より良い長期的に安定して使いやすいシステムにしていくPDCAサイクルをまわしていきます。

ITILにおけるインシデントとは? 

ITILにおけるインシデントとは、ITサービスやシステムの停止・障害をはじめ、サービス品質の低下などによって、クライアントのビジネスに影響を与えたり、サービスの継続や利用ユーザーに影響が及んだりする出来事を差します。
例えば、「画面がフリーズして動かなくなること」「外部・内部から当該システムへアクセス・ログインできなくなる」などと言ったことが挙げられます。これらの出来事が発生することで、クライアントやユーザーは不利益をこうむり、結果的にクライアントやユーザーからの信頼が低下するということに繋がってしまいます。

インシデント管理とは?
インシデントは「通常の運用から外れたサービスや運用を低下させる現象」のことです。
インシデント管理は、何らかの事象が起こったときに速やかに状況を把握して、クライアントやお客様に影響が及ばないようシステムを通常の運用へ戻すことが目的を目的として行っています。
インシデントによるビジネスへのリスクをできる限り最小限にして、システム運用・保守のクオリティを安定的に保つために必要なフローとなります。
問題管理との違い
インシデント管理と問題管理の違いはどこにあるのでしょうか。 まず、インシデントを引き起こした原因を「問題」と呼びます。そして「問題」を管理することを問題管理と言います。 問題管理は、発生したインシデントの根本的な原因(問題)をしっかりと突き止め、再発しないよう対策を取ることです。問題管理により、既知の問題が原因となるインシデントが起こらないようにすると同時に、障害発生予防に限界があるインシデントが関係する影響をできる限り取り除きます。 インデント管理ではできる限りの早急な対応が求められます。しかし、問題管理は逆に時間を取って根本原因を究明・対応策実施が求められ、真逆の対応です。 標準の運用に属さない、サービスの品質を低下させる事象(インシデント)」を管理するインシデント管理。そのインシデントの根本原因(問題)を究明し、再発の防止といった恒久的な対処(ワークアラウンド)を実施する問題管理との違いがあるのです。

インシデント管理のポイント

各クライアントによって、システムの概要は違っています。そのため、クライアントに合ったインシデント管理を実施しなければなりません。しかし、ITILに準拠したインシデント管理で最低限押さえておきたいポイントは幾つかありますので、ここでは基本となるポイントについて説明します。

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監修 SHERPA SUITE運営事務局 オープンソース(OSS)を活用した運用管理ソリューションであるSHERPA SUITE(シェルパスイート)の運営事務局です。SHERPA SUITEは、SHERPA-IR(イベント制御)・SHERPA-SM(インシデント管理)・SHERPA-JB(ジョブ)ソリューション群の総称となり、システム運用におけるコスト削減及びサービス品質を向上します。SHERPA SUITEについてはこちら。
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